· 

靴クリーニング 合成皮革

靴クリーニング

 

二匹のわんちゃんを連れて、年配のご婦人がご来店です。

 

「この靴をクリーニングしてキレイに履けるようにしてちょうだい」

 

……うぎゃ! この靴をまだ履くつもりですか?

 

「この靴、履きやすいのよ~」

「他の靴屋さんでも修理できませんって言われたのよ」

 

いや、そりゃそうでしょう。

 

「ものすごく履きやすいから捨てられないのよねぇ~」

 

この靴は合成皮革で、経年劣化してますら、靴のクリーニングも出来ませんよ。

 

ってか合皮表面の塗装樹脂が溶けてますからねぇ。

 

カカトを修理しても履けるようにはならないです。

 

寿命なので、あきらめてください。

 

「同じ靴は、もう売っていないって、靴売り場の店員さんもいってたし……」

「こんなことなら、同じ靴をもう三足ほど買っとけばよかったわぁ」

 

いやいや、その時に同じ靴を買っていても、全部同じように劣化していますから、結局意味なかったですよ。

 

履いても履かなくても、時間とともに劣化していくのが経年劣化なのですからね。

 

「たとえ一ヶ月だけでもいいから、この靴を履けるようにしてちょうだい!」

 

いやぁ……そんなこと言われましても……。

 

「知り合いがね、ここの店ならば履けるようにしてくれるって教えてくれたのよ?」

 

えぇぇぇぇッ……そんなことを言われても……

まさか、そのセリフも教えてもらったんじゃないの?

 

……わかりましたよぉ。

とりあえず、履けるようにだけはしてあげますよ。

 

とりあえず、カカトを修理して、劣化してしまっている靴の表面に、再度樹脂をコーティングしてみました。

 

うーーん。ご近所の誰かが、変なうわさを流してるな!

 

うちは靴のクリーニング屋さんであって、なんでも直してしまう魔法の靴屋さんじゃないんだからね!