
「この靴をクリーニングしてください」
奥さまが、旦那様の靴をもってご来店です。
靴を見てみると、全体的に不自然な水シミが……?
「水シミは消せますでしょうか?」
まぁ、この程度ならば、ほとんど消せると思いますよ。
「よかった~。革靴が洗えるという洗剤で洗ったら、こんなになってしまって……」
あぁ、なるほど。だからこんな不自然な水シミになっているのですね。
「私が勝手に革靴を洗ってしまったことを、主人が物凄く怒ってて……」
あはは。そりゃまぁ、靴を大切にしている方ならば、怒るでしょ(笑)
東急ハンズさんとか、ネットだとかで『革靴が洗える洗剤』などという商品が売られていたりします。
私が、20年近く前に革靴のクリーニングを開発していた頃には、まさかこんな商品が一般向けに販売されるような時代が来るなんて、夢にも思いませんでしたよ。
私が開発した『皮革用洗剤』を、大手の製薬会社から販売させて欲しいという申し込みがありましたが、お断りさせていたきました。
それにはちゃんと理由があります。
長年の歴史と技術を持つ、衣類のクリーニング業界ですら、皮革製品のクリーニングは難易度が高すぎて、手が出せないでいたのです。
そんなデリケートで難易度の高い皮革製品を、なんの知識もない一般消費者の方が洗えるわけがないのですよ。
いや、マジで靴関係者や、衣類クリーニング関係者の方々に対しての、取り扱い説明やアフターフォローが大変なのに、それを一般の方が手軽になんてありえないのですよ。
それなのに、私のモノマネ製品が、平気な顔をして販売されている……。
まぁ、靴を洗うというコトが、一般世間に認知されてきた証拠だと喜ぶべきなのかもしれませんね。
んで、水シミを靴クリーニングでキレイに処理をしてあげました。
それともう一つ、お客さんから頼まれていたことがあります。
それは、奥さまが靴を洗う前は、靴がピカピカに光っていたらしいのです。
しかし現在は光がすっかりと、消えてしまっています。
旦那さんの怒りを鎮めるためには、元通りにピカピカの靴に仕上げなくてはなりませんね。
つま先部分とカカト部分に、ロウの被膜を作ってピカピカに光らせる。
通称『ポリッシュ仕上げ』です。
どーです? ピカピカでしょ。
靴クリーニングのSHOES・BOX
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