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靴クリーニング 思い出の靴

靴クリーニング

 

今回の依頼内容は

 

「靴箱に入れて保管していた靴に、カビが発生してしまったのですが……」

とのことです。

 

カビが発生した靴のクリーニングなんて、毎日のように処理していますので、いつものことなんですけどね。

 

今回は、なかなかに重症ですね。

靴全体にビッシリとカビが根深く発生してしまっていますよ。

 

これだけ浸食の度合いが重症だと、皮革組織に影響が出てしまっています。

さらに、カビの菌糸って色素を出すので、カビの跡が黒い斑点として残ってしまうのです。

 

通常ならば、洗浄して抗菌処理をして、染色でキレイに戻してあげられるのですが……

 

この靴はスエード(起毛素材)

間違いなく、起毛が死んでしまっています。

カビの跡が、脱毛状態になっているのです。

 

いくらなんでも、脱毛状態のスエードを復元させるのは不可能なのですよ。

 

今回は、残念ながらクリーニング処理をしても、キレイな状態にすることは無理なので、諦めてくださいとお伝えしました。

 

「この靴は、亡くなった親戚の靴で、処分することができないのです」
「なんとか、手元に残しておきたいのですが……」

 

……。そう言われると、なんとかするしかない!ですよね?

 

それでは、もうこの靴は、毛が痛んでボロボロな状態なので、スエードは諦めてください。

起毛表面を加工して、違う風合いの靴に仕上げても良いのならば、再生させることは可能です。

 

と、お伝えしたところ

「それでも良いので、なんとかお願いします」という依頼を受けました。

 

まず、靴クリーニングにて、カビ菌の徹底除去をおこないます。

特殊な専用薬剤にて丸洗いをしてから、殺菌抗菌剤にてカビ菌をできるだけ処理をしました。

 

スエードを潰した加工の革に、バケッタという加工があります。

この靴も、スエードを潰してバケッタ調に加工しました。

 

湿度の高い日本の気候風土では、カビの発生を防ぐのは難しいことです。

 

カビの菌糸が繁殖するためには、湿度・温度・栄養の三つの条件が揃う必要があるのです。

 

最近は、家の気密性が高くなっていますので、冬でも玄関の温度は高いです。

靴は、汗をたっぷりと吸収していますので、カビ菌が喜ぶ「湿度」と「栄養」があります。

 

とにかく、靴が大量に吸収している汗を、いかに早く乾燥させるかが、一番大切なことなのです。

 

玄関で脱いだ靴を、乾燥もさせずに下駄箱に入れたりしたらアウトです。
きちんと靴を乾燥させるには、三日ほどが必要です。

 

乾燥させた靴に、乾燥剤を入れて、風通しの良い場所で保管させてください。

下駄箱は、時々換気をしてください。

 

とにかく靴は、いかに早く乾燥させるか?と、保管に気を配る。

この二つが、カビの発生を防ぐのに必要なことなのです。


まぁ、なかなか難しいんですけどねぇ。

では、もしも靴にカビが発生してしまったら……。

 

アルコール成分を含んだ除菌・殺菌スプレーを使用して……

などと書いてあるものもありますけど……。

 

カビキラーなどの強力な劇薬でも、カビ菌を完全には殺せないのに、アルコールなんかでカビ菌を殺菌することは難しいと思いますよ。

 

カビが発生したら、靴クリーニングで洗浄して、抗菌加工をするのが一番なのだと思います。

 

まぁ、とにかく、靴にカビを発生させてしまわないように、日頃から靴に気を配ってあげて、保管に注意してあげるのが大切なことだと思います。

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