
靴のクリーニング屋さんは、修理も結構得意なのですよ。
ドライビングシューズって、色々なメーカーが作っていますし人気がありますよねぇ。
靴底がイボイボのツブツブになっているデザインのものが多く、シャンク(靴の背骨芯)が入っていないので靴底が柔らかくて返りが良く、とても履きやすいらしいです。
んで、そんなドライビングシューズをご夫婦お揃いで購入されたお客様がご来店されました。
「この靴の底の修理をしてほしいのですが……。」
うーーん。ドライビングシューズって、靴の製法が特殊なのです。
そもそも、こんなイボイボを作ることなんてできませんから基本的に元通りには修理できないんですよ。
履きすぎて靴底の革を擦り切ってしまっている方も多くいらしゃいますし、この靴は形状的につま先部分を歩行によって擦切って穴を開けてしまっている方がほとんどなのです。
だいたいからして、ドライビングシューズって車の運転をするためだけの専用の靴なので、この靴で外を歩き回ってはダメなんですよ?
「えぇ!そうなの?買った時にそんなこと言われなかったわよ!」
いやいや、名前からしてドライビングシューズって言っているじゃん(汗)
マジで知らずに履いて外を歩き回っていたんですね。
「主人とお揃いで買ったのにぃ~。この靴、安くなかったのよ?どーしたらいい?」
このまま靴として外を歩きたいのならば、靴底のデザインは変わってしまいますが、薄めのゴムを使用して前半分とカカト部分との二分割で靴底を作り直せば、今の靴に近い履き心地の靴ができます。
しかし、それではつま先部分をカバーできませんので、注意しながら履いて歩かないと、つま先部分の革を擦切ってしまい、いずれ穴を開けてしまう可能性が大きいです。
普通の靴底で作り直すと、本当に普通の靴になってしまいます。
ただし、履き心地も見た目も普通の靴になってしまいますが、耐久性は高くなります。
どちらを選びますか?
「うーーん。結局すぐに履けなくなってしまったら捨てるしかなくなっちゃうので、少しでも長く履ける普通の靴に作り替えてください」
という依頼でしたので、ドライビングシューズを普通の靴底に作り替えましたよ。
靴を売る側も、ちゃんとお客さんに説明してあげればいいのにねぇ……。
靴クリーニングのSHOES・BOX
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