
「Mさん、すみません。ちょっとお願いします」
受付をしているスタッフから、いつもの悪魔のお呼びがかかりました。こんな時はヤバいんですよねぇ。
「この靴なのですが、お客様が、靴クリーニングで何とかして欲しいとのことなのですが、何とかなりますか?」
どれどれ……。
数秒間、絶句……。
いやいやいや、コレはいくらなんでもちょっと無理なんじゃないですか?
「やっぱり無理ですかねぇ……」
と、お客様。
申し訳ないのですが、さすがに新しい靴を購入されたらいかがですか?
「でも、この靴とっても気に入っているんですよ」
はぁ……
気に入っているからいっぱい履いたらこんな状態になってしまったなのでしょうねぇ。
しかし、いくらなんでもこんな状態になってしまってから持ち込まれても……。
もっと初期段階でならば、なんとかなったのでしょうけど……。
「やっぱりなんともならないですか……」
あぁ、そんな悲しそうな顔をされたら断れないじゃないですか……。
どーしても履きたいんですよね?
「はい、履きたいです」
……しょうがない。
何か方法を考えてみますので少々私に時間をください。
「でも、あまり修理代が高額になってしまうのは……」
ですよねぇ。
なんとか安くできるような方法を考えてみます。
ってことで、他の仕事の合間に戦ってみましたよ。
靴クリーニングで汚れを除去してから、修理費用を安くできるように靴底は部分修理で対応することにしました。
しかし、つま先部分の布生地が完全に擦り切れてしまっているのをどーするか?が、一番アタマを悩ませましたよ。
出来上がった靴を見て、ウチのスタッフが一言。
「あの靴を、たったこれだけの料金でここまで直してしまうなんて、戦う靴屋から魔法の靴屋に名前を変えたほうがいいんじゃないですか(笑)」
なんかムカついたから、お前は今日一人だけで残業させるからなッ!
靴クリーニングのSHOES・BOX
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06-6774-6977